【対策もあり】半田高等学校附属中学校の説明会の所感 | 半田、阿久比の学習塾 レッツ

【対策もあり】半田高等学校附属中学校の説明会の所感 | 半田、阿久比の学習塾 レッツ

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【対策もあり】半田高等学校附属中学校の説明会の所感


[ 2024年9月8日 ] [ yasuki ] [ レッツNEWS ]

8月25日に瀧上工業雁宿ホール (半田市福祉文化会館)大ホールで「半田高等学校附属中学校」の説明会が行われました。前回の説明会から内容がアップデートされ、中学校生活やそこでの学びが具体的に分かる内容になっていました。

以下に、公式HPに当日の動画や資料がまとめられていますので、ぜひご覧ください。

学校説明会 – 半田高等学校附属中学校

個人的には、生徒さんの探究活動の発表も面白かったので子どもと一緒に見てみてください!

さて、この記事では説明会の内容にも触れながら、以下について書いていきます。長くなってしまいましたので、興味がある内容をピックアップしてご覧いただければと思います。

説明会で強調されていたこと

探究学習重視型の日本一の中高一貫校

林原校長は説明会の冒頭で「探究学習重視型の日本一の中高一貫校を目指す」という想いを語られていました。

半田高校の中高一貫校化は歴代の半田高校の校長先生の悲願であったとも聞いています。今回の半田附属中への強い想いが、この言葉に現れています。

チェンジ・メーカー

半田附属に関わらず、県立中高一貫校の大きなキーワードであり、昨年の11月から繰り返し言われています。このチェンジ・メーカーが、いわゆる3つのポリシー、つまりアドミッション・ポリシー(入学者に期待する児童像)、ディプロマ・ポリシー(中学校で目指す人間像)、カリキュラム・ポリシー(中学校の教育内容)の軸になっています。

「チェンジ・メーカー」とは、社会が加速度的に変化し続け、将来の予測が極めて難しい時代において、様々な人と協働しながら、答えのない課題に対して、失敗をおそれずにチャレンジし、社会に変化を起こす人のこと

中学校で目指す人間像

半田附属での中高6年間の教育理念は、

高い専門性と多角的な視点を持ち挑戦し続けることにより
新たな社会を創出する人材を育成する

であり、その前半3年間である附属中で目指す人間像(ディプロマ・ポリシー)として

1.知的好奇心にあふれ、探究的に物事を解決しようとする人 
2.失敗から学び、前向きに物事を捉えることができる人  
3.他者を思いやり、多様化する社会の中で、挑戦し行動する人

を挙げています。

当たり前のことに思えるかもしれませんが、これらを達成するためには大人たちが見守り、サポートすることが不可欠と思います。林原校長も「焦らず、周りと比べず、その子が選択したことを尊重する。大人はじーっと我慢して傍で待つ。」ことが大切とおっしゃっていますが、本当にその通りだと思います。

授業内容や定期テストについて

カリキュラム・ポリシー(中学校の教育内容)

中学校の教育内容の特徴として以下の3つを挙げています。

特徴1 総合的な学習の時間で、探究学習を思いっきり実施し、中学校3年生で「課題研究」を行います
特徴2 各教科の学習の中でも探究スキルを学ぶ
特徴3 充実した国際理解教育によるグローバル人材の育成

先取り学習はしない

探究活動に関わる学習の深化は行うものの、大学受験のための先取り学習はしない方針が改めて説明されました。中学3年間では「知識の詰め込み」よりも「学ぶ姿勢」身に付けることが大切であるという考えと思います。特に難関大学を目指す場合は、深く思考する力が不可欠ですので、結果的に高い合格実績を生む可能性も大いにあります。

なお、公立中高一貫校は高校受験がなく中学校と高校の学習の分断がないため、全国的に大学進学実績が高い傾向にあります。大学入試改革が進み総合型選抜や推薦入試などの比率が高まっています。総合型選抜においては、学力試験以外の要素も重視されるので、そういった意味でも探究活動は、大学合格に対しても良い結果を生むと予想しています。

定期テストは行わない

驚いた方(本人たちは大喜び!)も多いかもしれませんが、半田附属では定期テストを行わず、日々の学びの姿勢がより評価されます。

心配に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、先行事例も多くなってきています。例えば、愛知教育大学附属名古屋中学校では、学年や教科によっては定期テストが廃止されています。愛教大附では単元テストやレポートで評価されるほか、(問題は変わりますが)受け直しができるテストなどで、成績をつけています。

また、心配であれば、学校外で愛知全県模試などで学習の習熟度を測るのも一つ選択肢としてあります。

入学者選抜について

予想倍率

中日新聞のニュースによると、今回の説明会は午前午後合わせて親子連れ750名ほどの参加だったそうです。半分が小6生とすると375人、説明会に参加していないご家庭もあると思いますので、実際の受検者数はおよそ400名~500名程度となりそうです。そうすると、一次検査の倍率は2.5倍〜3.1倍最終倍率は5倍〜6.3倍程度でしょうか。当初の予想よりは少し落ち着きそうですが、それでも高い倍率となりそうです(高い倍率であっても挑戦するべき理由は以下の記事に書いてありますのでよろしければご覧ください)。

一次検査対策

教科横断型の「適性検査Ⅰ」と「適性検査Ⅱ」を各45分で実施。今回の説明会では、記号選択をマーク式で行うということ以外には新しい情報はありませんでした。サンプル問題の傾向にも注意しつつ、どんな問題が出ても対応できる力が必要です。

他県の公立中高一貫校の問題は、その県の高校入試に影響される傾向にありますので、愛知県においても高校入試の傾向には注目する必要があります。愛知県の高校入試はマーク式となってから問題文や資料から情報を正確に読み取った上で思考・判断する力が問われる傾向が強まりました。県から発表されたサンプル問題も教科書レベルの知識に加えてそういった力を問うています。

また、他県の適性検査も参考に作問されると思いますので、他県での問題による対策も必要です(例えば、サンプル問題の問2は岩手県立一関第一中学校で出題されたことのある問題ととても似ています)。

総じて一次検査では「基礎的な知識」「速く正確に理解し、処理する力(読解力、計算力)」「情報を整理し論理的に思考・判断する力」がバランスよく求められそうです。

二次検査対策

一次検査に合格した160名に対して個人面接が15分行われます。提出する成績表の写しは合否に影響されないこと、事前に提出する志願理由書の「志願理由」「これまでに行った探究活動」について質問されることが明言されました。

成績表の取り扱いについては想定通りですが、面接官の生徒に対する先入観の材料になり得ますので、点数化されないとはいえ、「主体的に学習に取り組む態度」などは「◎」を目指したいです。

志願理由書については、ディプロマ・ポリシーに関連させた将来やりたいことと、カリキュラム・ポリシーに関連させた6年間で取り組みたいことの2つを「志願理由」にしっかりと盛り込み、アドミッション・ポリシーを意識して「これまでに行った探究活動」をまとめ、面接対策としてそれを自分の言葉でしっかり話せるように練習を行いたいです。

二次検査で特に差がつくのが、「これまでに行った探究活動」だと思われます。こればかりは付け焼き刃では、どうにもなりません。これまで、何かを探求したり、何かに熱中したりした経験や体験が不可欠です。低学年のうちから色々な体験をさせることも有効だと思います。

ちなみに、レッツの中高一貫校対策クラスでは、探究活動の実践の場として夏休みの自由研究を全員に行ってもらっています。本人たちの興味のある内容をテーマにして、問立て→仮説→検証(実験)→まとめ→発表→(研究者による)フィードバック、の一連の探究活動を実施します。本人たちは苦しみながらも深く主体的に学ぶ楽しさを感じているようです。

アドミッション・ポリシー(入学者に期待する児童像)
1.多様な価値観を認め、共に問題を解決しようとする子ども
→人の話を聞いたり、協力したりしながら物事に取り組もうとする
2.失敗してもめげない柔軟でおおらかな心をもつ子ども
→「なんとかなる」「別の方法を試そう」と前向きに考える
3.何事も人のせいにせず、自ら責任ある行動をとろうとする子ども
→誰かがなんとかしてくれるではなく、自分で何とかしようとする

以上が、今回の説明会を受けての所感でした。


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